特徴のある鳴き声で季節を感じさせてくれる鈴虫ですが、鈴虫たちはどのように産まれてくるのでしょう。
昆虫の仲間ですから卵という形で産卵となりますが、産み落とされる卵の数はどれくらいでしょうか。
また産卵の時期はいつ頃なのでしょうか。
ここでは、鈴虫たちの卵や時期など、産卵についてご紹介します。
鈴虫はどの位の卵を産むのか
鈴虫が産卵する卵の数は約100個以上、一度に産むのではなく数回に分けておこなわれます。
鈴虫の卵は、直径約3.2ミリメートル、短径約0.8ミリメートルの紡錘形、黄色もしくは青色を帯びた白色です。
鈴虫の卵は、地表から10ミリメートル前後の深さへ、鈴虫のメスの産卵管から地中へと産み落とされます。
卵を産むとき鈴虫のメスは、産卵管が刺さりやすい場所を探しながら移動を繰り返し、適した場所がみつかると産卵管を地中へ刺し数個単位で卵を産み落とします。
もちろん、すべての卵を産み落とすまでの体力維持は必要ですから、移動を繰り返しながら休憩をしたり、エサを捕食したりしながら体力の回復を図ります。
鈴虫が卵を産む時期と孵化に必要な時間
鈴虫は8月~10月の時期にかけて繁殖行動をおこない卵を産み、翌年の6月~8月のあいだに成長します。
つまり、鈴虫の卵は冬の時間を土の中で過ごす訳です。
鈴虫のメスが産卵管を使って土の中に卵を産む理由は、天敵に卵を捕食されることを防ぐ意味もありますが、気温が下がる冬の時間を無事に越す理由も含まれています。
この冬の時間に孵化の用意をおこない無事に越せた鈴虫が、私たちに鳴き声で季節の変化を教えてくれる訳ですね。
卵から孵化を経て成長する際に、蛹(さなぎ)という過程をイメージされる方もいるかと思われますが、鈴虫は不完全変態の昆虫に属しているため、蛹という時間を必要としていません。
まとめ
ここまで、鈴虫が産卵する卵の数や時期についてみてきました。
鈴虫は一生のあいだで約100個前後の卵を移動を繰り返しながら産卵します。
秋ごろまでに産み落とされた卵は、冬の時期土の中で過ごし、孵化の準備をおこない外へ出るタイミングを計ります。
すべての卵が孵化する訳ではありませんが、このサイクルがつづくことで、夏から秋にかけて鈴虫の鳴き声が聞けるのです。